「ただいま〜」
「おかえり」
「・・・」
「ところで早速だが、この枕、なかなかいいね」
「あ!俺の枕!」
「低反発素材の具合が丁度いい感じで・・・」
「こら!寝るなよ!毛がつくだろ!!!・・・ったくネコのくせに」
「しかし、なんで枕が二つもあるんだい?」
「重ねて高くするためだよ」
「これを重ねると相当な高さになると思うが・・・」
「これは俺のこだわりなんだけど、二つの枕の端っこ部分だけを微妙に重ねるのよ。わかるかな?そうすることによって、こう、『入』の字みたいに真ん中は高い、端は低いとなって、その時の気分で高さを変えれるのだ。うはは」
「そんなこだわりがあったのか・・・。まぁ、それは置いておくとして、今日の質問を頼むよ」
「って、おい!そこからどけよ!ケモノ臭くなる!」
「まぁまぁ。早く引きたまえ」
「ったく・・・ほれ」
「『ヒッチ・ハイクをすることについてあなたの意見を聞かせてください』」
「なんだ・・・それ・・・」
「そのままだよ。ヒッチハイクについてどう思う?」
「俺昔よくやってたよ・・・」
「ほうほう。そんな事実があったのか」
「って言っても、旅していた時の話だけどな。20歳の頃だからもう8年前だ」
「旅なんてしてたのかね?」
「ギター持って、全国をヒッチハイクで回ってたんだよ。半年間。行く先々の街で歌って、それで小銭稼いで生活して・・・って、旅の話すると長くなるからやめ」
「興味深い話だ。まぁ、それはまた別機会に聞くとして、ヒッチハイク経験者としてはどうだね?」
「ヒッチハイクをどう思うか、か。まぁやってみた感じ、思ったよりも乗せてくれる人が多かったよ」
「大体どれくらい待つんだい?」
「う〜ん、平均して5分〜1時間とかだな。長い時は2時間くらいやっても止まらないし、早い時は1台目で停まってくれたこともあった」
「それって親指を立てるのかい?」
「最初はそうしてたんだけど、それよりも、スケッチブックみたいなのに目的地を書いたほうが停まりやすい。しかも、その目的場所を書くんじゃなく、『○○方面』みたいな」
「確かにそれだったら『通り道だから乗せてみよう』って思うかもしれないね」
「それと重要なのは場所だな。これで全てが決まると言っても過言じゃない。街中でやっても、あんまり目立たないからなかなか停まらないんだよ。ポイントは、ちょっと郊外の国道や、広めの道。そういうところの方が目立つし、車の方も停まりやすい。それから、高速道路のインター入り口で待つっていうのも一つのポイントだ。高速を使えば一気に距離を稼げる」
「・・・」
「そして、停まってくれる車のことを考えないとダメ。ちゃんと停車できるような場所を陣取り、自分の手前に停めるのか、手奥に停めるのかを決める。さらに、やると決めたら思い切って自信満々な顔を・・・って、どうした?」
「いや・・・かなり熱が入っているみたいだね・・・」
「ああ、思わず当時を思い出しちゃったよ。(笑)」
「まぁ、それはそれでいいのだが・・・」
「それでなんだっけ?ヒッチハイクについてどう思うかだっけ?」
「そうだね」
「うむ。『危ないからやるな!』これに尽きる!」
「自分のことを棚にあげて・・・」
「いや、なんだろね。俺がやってた時は、電波少年とかがちょうど流行っててさ、なんかヒッチハイクに対する抵抗が少なかったと思うんよね。やるほうも、乗せる方もさ。でも、今のご時勢、見ず知らずの人を乗せるのって、結構抵抗あると思うんよね。あんまり停まらないような気がするなぁ」
「確かに、知らない人を乗せて襲われるって考える人も多いだろうね。逆に、ヒッチハイクをする方も、さらわれるんじゃないかって思ったりもするだろうし」
「そうそう。どっちも危ないよ。なんか俺がやってたのは数年前の話だけど、そういう意味じゃちょっと時代が変わったな」
「特に女の子は危ないね」
「そう!たま〜に、『電車で帰るお金がもったいないからヒッチハイクした〜』とか言ってる女の子がいるけど、お前、アホか!と!!!」
「まぁまぁ、興奮しなさんな」
「でも、そう言いながらも、やっぱ乗せてくれる人ってのはいい人でさ。『どうせ腹減ってるんやろ!』ってご飯おごってくれたり、『今日は家泊まっていけ!』って泊めてくれたりする人もいて」
「ほうほう」
「旅していたってのもあるんやろうけど、そういう人たちとは今でも繋がりなるなぁ。年賀状出したり、ライブで近く行ったら連絡したり」
「人との繋がりというメリットはもちろんあるわけだね」
「そう。普段では味わえない特殊な繋がり。それはそれで素敵な財産になるんやけど、やはり危ないってことには変わりない」
「外国だとまた違うんだろうけど、日本だとヒッチハイクは主流じゃないからね」
「そうそう。時代も合い重なってな。さすがに俺も今はやろうと思わんもん」
「君の歳くらいの男がヒッチハイクしていても、誰も停まらないだろうよ・・・」
「あべし!!!」
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